わたしのばあい

心の風邪など存在しないの…心にあるのは傷と痛みと…ざわつく風

忘れ得ぬ人

日付はとっくに変わってしまってるけれど、2月21日
この日はわたしのとって、生涯忘れる事がない日です。

それはもうン十年前の事で…
まだ10代だったわたしが、本当に本当に好きになった人
その彼が生まれた日。

人には誰でも忘れられない人がいるのでは?と思ってる。
それは必ずしも恋愛のHAPPYな思い出という意味ではなく
人生観を変えた人であったり
これでもかと言うほど、傷つけられた痛い経験の人であったり
+も-も含め、
何かしら自分が形成される影響を受けた人と言う意味では
忘れたくない人
忘れてしまいたいのに消せない人
そこまで重要と思ってなかったのに何故か気になってる人
などなど・・・
いろんなケースがあると思うのです。

自慢じゃないけれど、わたしのばあい
恋愛経験が豊富でもなく、どちらかと言えば妄想で
物語を作ってるようなタイプであり
1人の人を長く想い続ける未熟な恋愛観な為
愛だの恋だのを語るべき者ではないのだけれど
忘れ得ぬ人が存在してる事に感謝だと思ってます。

遠距離恋愛を8年続けた事実
今の時代ならば簡単に顔をみることもできるけれど
その時代は電話も公衆電話に10円玉を積み上げてだったし
会いたくても会えない時間は
いつも大切に肌身離さず持ち歩いてた写真で心を埋めてた
可愛かったなぁ…我ながら。
会うための交通費の為、朝から夜中までバイトを掛け持ちし
やっと会える日の前には
1日中、荷造りに悩んでた。
少しでも可愛く…少しでも大人ぽく…
年上の彼についていけるよう、見た目だけでなく
彼の好きなアーティストや映画、本、ブランド、趣味
聴いて、読んで、観て、知識を増やして
限られた時間、途切れる暇を与えないように
自分磨きと、彼と共有できる事を学んでた。
今の時代ならスマホ1台で溢れる程の情報を得られるんだけれど
このアナログな時代だからこそ、
近づきたい思いが、懸命さが記憶に残ったのかもしれない。

本当になんて可愛いんでしょう(笑)
幼かったけれど一生懸命だった、わたし。
本当に彼が好きで、尊敬してて、わたしの世界は変わった。

なのに、共に生きる事ができなかった。

これを縁がなかったというんだろう…と思う。
お互いが結婚したいと思う時期が、必ずずれてしまう。
それはお金だったり、仕事だったり、夢だったり。
わたしたちは物凄い時間をかけて
別々に生きることを選んだ。
それでも離れがたく、別れてからも沢山電話で話をした。
なのに結婚という選択肢は消滅してしまった。

思い出は綺麗なものと、全く記憶に残らないものがある。
彼との記憶は綺麗と辛さと苦しさが混ざり合い
不思議な感覚がわたしの体の中に刻みつけられた。
だから。
忘れられない、忘れ得ぬ人となった。
恋しいだけでもなく、恋してたわたしが懐かしぃ訳でもなく
多感で幼いわたし~大人へと変化していった生き方に
膨大な影響を与えてくれた。

今、何をしてるんだろう?
幸せなんだろうか?元気でいるんだろうか?
そうは思うのだけど、捜す術もなく
いえ、捜したところで会いにいくという選択肢がない。
あの頃のわたしたちがキラキラしてて、可愛くて、不器用で。
それは今、触れてはいけないものに変わった。
だから、会いたいけれど、彼の今を知りたいけれど
厳重なセキュリテイに守られてる宝石のように
触れられそうで永遠に触れられないものになった。

嫌な思いでの人も存在する。
その人も忘れる事はないだろうと思うけれど
忘れ得ぬ人ではない…。
人は旅立つときに走馬灯をみると言われているけれど
それが本当ならば、その時に8年の時間全てが見られたらいいと思ってる。
それがいいと、それでいいと。
わたしにとって、2度と出会う事のないオンリーワンの人の誕生日
また1年歳を重ねた彼。
今もどこかで元気でいると信じて…

お誕生日おめでとう。