わたしのばあい

心の風邪など存在しないの…心にあるのは傷と痛みと…ざわつく風

機能不全家庭で育った、AC

 

機能不全家庭。
とても分かりやすく、的を得た単語を組み合わせたと
つくづく感心してしまう…

AC…つまりアダルトチルドレン
その昔、まだわたしに自覚がなかった時
ピーターパン症候群のようなものだと思っていた。
大人になりたくない
子供のままでいたい
そんな成長しきれてない大人の事。

でもわたしが今こんな状態になり
障害者として生きているようになってから
知らなかった言葉・・用語を沢山知った
そのどれもが、ぴったり当てはまりすぎて笑えてしまう

先日、指をケガして縫う事になって外科の通院が始まった
傷口を消毒する前、お湯で濡らした柔らかなガーゼで
指を優しく拭いてくれる。
そのガーゼが温もりが心地よく、ゆっくり拭きながら

「大丈夫?痛くない?ここも拭いていいかな?」

そう声をかけてもらった。
なんて言ったらいいんだろう?
すごくすごく胸が痛くなって、泣きたくなった。
わたしの中にこんな感情が隠れてたんだ…
そう気づいてしまった、甘えたい気持ち。
できるなら「もう1回」「もっと」と言いたかった。
本当はすごく痛いのに、怖いのに、いつも
大丈夫・平気・痛くない
そう言い続けてた幼いころからの口癖
そう言わなければ
「わがままだ」「手がかかる」「そもそもあんたが悪いんでしょ」
投げかけられる言葉を知っているから
強い子でいなくてはいけなかった。

2、3度拭いたガーゼはもう冷たくなってしまうから
「少し待っててね、もう1回拭くから」
そんな言葉をどこかで期待してたけれど、当然そんな言葉はなく
「消毒するね~ちょっとしみるけどゴメンね」だった。

自分で拭いてもそんな気持ちにはならないのに
たまたまその日、外来担当だった看護士さんの当たり前の処置に
泣きたくなるとか、甘えたくなるとか
そんな感情に覆われるとは思いもしなかった。
でも、体内でちっちゃな頃のわたしが「抱っこ~」って甘えるように
看護士さんにすり寄りたくなる気持ち。

グルグル包帯を巻かれ処置を終えてからも
痛さより、あの温もりと、
病気やケガの時って、こんな風に優しくしてもらえるんだぁ…
なんて驚きを、こんな年齢になって知るとは
笑えてくるね
機能不全家庭ってろくなもんじゃないなってホント思う。